< テレバイザー型テレビジョン受像機>

テレバイザーについて
テレバイザー(Televisor)は、英国人のジョン・ロジー・ベアード(John. Logie.Baird)氏が市販したテレビ受像機であり、世界で初めて量産され市販されたテレビです。
ベアード氏はBBCと交渉して得たラジオの電波を使って、低解像度のテレビ放送を行いました。
音声のラジオ電波に乗せられた映像信号を再生するテレビ受像機です。
ベアード氏は低解像度テレビ放送用に2種類のテレビ受像機を市販しましたが、最初に販売したものが「MODEL A テレバイザー」です。2つ目のテレビジョン受像機は、走査にニポー円板でなくワイラー鏡車を使用し、光源は高圧水銀灯、光の変調にはカーセル(Kell Cell)を使用しました。
”Model A” テレバイザー の概要
■テレバイザーのしくみ
真空管式のラジオ(当時の普通のAMラジオ)の音声出力電流(=映像電流)を使ってネオンランプを光らせるとともに、同期電流を取り出します。
回転はユニバーサルモーターで行い、同期はCogged gear(Syncronising Gear、ホニックモーターのようなものですが、ベアードのものは「歯と歯の間の幅は歯の幅の4倍であり、かつギャップが極めて小さい、ホニックモーターと混同しないでほしい」としていますのでCogged Gearとしました)という歯車形状の部品と電磁石からなる装置に映像電流から分離した同期信号成分の電流を流して実現されます。
とはいえ、このホニックモーターによる同期の維持は大変難しく、すぐ同期が外れてしまうためユーザーは苦労したようです。
ホニックモーターは「ウイーン」というか「ブーン」という独特の音がします。はっきり言って、うるさいです。
■テレバイザーのスペック
走査線数は30本、毎秒像数12.5枚、円板直径50.8cm(20インチ)
(ニポー円板(Receiving Disk)の直径はテレバイザー取説から)
実物は意外と大きなテレビです。
真ん中のツマミは画面の上下位相調整用(phasing)で、画面が上下に分かれた状態で表示されたときに使用します。
左側のつまみは回転数の調整用です。
鉄製の4本足に支えられた木の板(Wood Base)にモーターやネオンランプが固定されており、カバーはアルミニウム製です。
実物は日本ではNHKの放送博物館にある1台だけと思います。
■テレバイザーの外形の特徴
ニポー円板の輪郭が外から分かるような形状です。
大きめの四角い箱にニポー円板を含めた全体を収める方が良いと思われますが、ベアードはニポー円板をテレビの象徴と思っていたのか、このような形状になっています。このため、製造コストは増大したと思われます。
■自作の経緯
以下の写真は、私が作ったテレバイザーもどきです。寸法は実物の半分くらいです。作り始めたころ(高校生の頃です)、インターネットなどありません。
図鑑などの写真数枚から「こんな感じだろう」という想像で製作しました。最初はモーターで円板を回すだけ、同期させる仕組みなどなく、単にモーターで円板を
回転させるだけでした。その後、色々改良してきました。
■感想
製作して感じたことは、同期を維持することの困難さです。おおまかな回転数制御はユニバーサルモーターで行い、同期をとる役目をホニックモーターで行います。
ベアードの頃は、商用交流電源の電圧変動が大きかったでしょう、同期が外れて大変だったと思います。想像ですが、同期が外れるまで1分もかからなかったのではないでしょうか。同期が外れたら、つまみを回して調整です。






