初めて作った機械式テレビについて  
走査線数(走査孔数): 32本(個)
走査方式  : 順次走査
毎秒像数 : 毎秒30フレーム
走査円板直径 : 30cm(塩ビ製。アルミは、簡単には丸く切れないと思っていた)
受光素子 : ホトトランジスタ
発行素子 : 発光ダイオード(オレンジ色のもの、当時は白色はなかった)
同期方式 : 電源同期式(同期モータなのだから当たり前)
レンズ : 虫眼鏡のレンズをはずして利用。
      茶筒に嵌めて、フォーカス調整可能とした。



走査線数が32本なのは、単に二ポー円板の穴あけ方法のためです。
(大きな分度器をもっていなかった)
1mm厚の塩ビ板にコンパスで直径30cmの円を書く。その円の中心を通る直線を描く。
その直線に垂直な直線を描く。あとは直線と円が交わる点の間隔をものさしで測って2等分していくのです。
いわば、2等分法ですが、32は2の5乗というわけです。あとはピンバイスで渦巻状に孔をあけていきます。
これで二ポー円板は完成したのですが、問題はモータでした。


粗大ごみの日にある中学校の前が集積所になっていました。ふと見ると、学校放送用のようなテープレコーダがあり、そのテープ駆動のモータが同期モータだったのです。(当時は同期モータがどこかに無いか、夢中で探していた。今なら、オリエンタルモータから購入すればよいのだが、通販など一般的でない時代だった。)
このモータは銘板に" Tape Coder "とあります。
長い間、なぜ”テープレコーダー”でなく”テープコーダー”なんだろうと不思議に思っていましたが、そのように命名されたようです。本来は放熱用ファンが後ろ側についているのですが、外したので、結構発熱しました。
同期モータを手に入れたものの、一つだけでしたので、。


ともかく作って実験しようと言うことで、ベニヤ板を切って作ったのが下のテレビです。
家族に見せると 「はあ?これがテレビ?」といわれたものです。





このテレビは二ポー円板が一枚しかなく、撮像用と受像用を兼ねています。実際、機械式テレビカメラでは撮影した映像をその場で確認するため(今で言うビューファインダーでしょうか)、このような構造になっているものが多いです。
当時は、中学生でしたから、トランジスタも理解できなくて、ダイオードを2つ繋げば(PNPになるので)トランジスタになるはずだとか、友人と議論したのが思い出されます。まことに懐かしいものです。感度が悪く、太陽に向けて太陽を直接写すとか、懐中電灯の光をレンズに直射して写すとかしないと写りませんでした。